2005 Fiscal Year Annual Research Report
ライフコースアプローチに基づく教師の発達と力量形成に関する継続調査研究
Project/Area Number |
16530498
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山崎 準二 静岡大学, 教育学部, 教授 (50144051)
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Keywords | ライフコース / 教師 / 発達 / 力量形成 |
Research Abstract |
平成17年度は、前年に実施した9つのコーホートに対する質問紙調査結果(総回答者数:994名、回収率:46.4%)を過去4回の同様調査結果と統計的比較分析を行うとともに、10年前の第3回調査時に面接調査を実施した対象者の一部(8名、さらに継続中)に対する追跡的面接調査結果を前回調査結果とライフコース的比較分析を行った。両比較分析とも、さらに一層緻密な分析を継続中であるが、現時点での主な特徴は次のようである。 1.新任教師の約8割が「ゆきづまり」が「ある」、約4割弱が「やめたい」という回答をしている。「ゆきづまり」の内容としては、すべての年齢段階の教師において「子どもの能力差」というのがトップにあがってきている。また今回調査で指摘が増えてきた事柄としては「保護者との対応」というものがある。「やめたい」と思う理由については、圧倒的に「仕事量が過重」という事柄がすべての年齢段階の教師においてトップにあがってきている。 2.ライフコースの追跡的面接調査からは、前回面接調査からの10年、子どもとの対応、生徒指導というような面での活動に非常に迫られて、苦しみかつ学んできているということが、各教師とも共通している。また、保護者への対応というものに多くの教師が悪戦苦闘し、その中で鍛えられながら成長してきているということも共通している。 現在の子どもと保護者における意識の変化と多様化、価値観の変化と多様化というのは非常に激しく、大きい。それは教師にとっては離職という危機の時代である。しかし、もう一面では成長への転機の時代でもあるといえる。困難さを、離職の危機の時代ではなくて、成長への転機の時代でもあるというかたちで乗り越えていくためには、いかなる取組みと条件整備が必要であるのか、質問紙調査結果と面接調査結果のさらなる分析を継続中である。
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Research Products
(2 results)