2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530505
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
山根 祥雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50089893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 義和 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20030372)
小山 健蔵 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00162082)
白石 龍生 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00116162)
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Keywords | 学校安全管理 / 学校死傷事件 / 緊急組織対応 / 不審者侵入避難訓練 / マニュアル / 地域との連携 / 高校銃乱射事件 / メンタル・ケア |
Research Abstract |
附属池田小学校事件の検証、学校安全管理に関する内外における最近の文献・資料の収集、学校見学、公共図書館・日本安全教育学会における情報収集などから、学校安全管理の強化、事件時・事後の組織的な対応、その実際的対応の避難訓練が肝心事項として確認される。 不審者侵入事件が発生した横浜市立桜井小学校では、犯人に殺意がないことも幸いしたが、副校長の犯人対応や事件後の対応には、事前の教育委員会配布のマニュアルと校内研修が生かされ、不幸な事態を回避できたといえる。東京都足立区千寿小学校では、緊急警報装置の設置など、安全管理と組織的対応を模索して、警察と連携した訓練を実施している。一方、コミュニティづくりの一環として門も壁もない全くオープンな千葉市立打瀬小学校は、地域・保護者の助力を受けて10年間運営されてきた。年3回の訓練、マニュアル作成、保護者出資による闘う専門ガードマンの雇用など、立地条件のなかから安全管理の強化法を探っている。 また、アメリカ合衆国における十を超える高校銃乱射事件の事例、とりわけコロンバイン高校銃乱射事件に関して、当該高校の教職員・地域・行政・警察・司法・遺族などから事件後から現在に至る緊急組織対応及び安全管理に関する経験、メンタル・ケア、コミュニティ連携、安全管理体制の強化などに関する情報・教訓を得た。 内外で察知される学校に迫る危機の増大に対して、甚大な余波を招く被害を防ぎ、被害を最小化するために、学校・地域の立地条件を踏まえた一層の安全管理体制の構築、迅速即応・臨機応変の対応、情報の共有化・有機的連携など、リアルな緊急組織対応のための研修や実際訓練によって、予想できない危機場面に対する実践対応・直観力をも培うことができる機会の設定が不可欠である。
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