2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆介護実践力向上に関する研究-家族介護者の生涯学習体験に基づく分析-
Project/Area Number |
16530521
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
宮上 多加子 高知女子大学, 社会福祉学部, 助教授 (90259656)
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Keywords | 認知症 / 家族介護 / 介護実践力 / 生涯学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は、家族の認知症介護体験に関する資料に基づき、介護実践力の変化と関連する要因を質的に分析し、家族介護者に対する教育的支援の方策を検討することである。本年度は、下記のようにデータ収集と分析を行った。 (1)認知症介護研究・研修仙台センターを訪問し、老人福祉施設の介護職を対象として行われている認知症介護に関する研修についての資料収集および聞き取り調査を行った。 (2)「家族の会」会報全国版および地方版(高知・福岡)で過去10年間に紹介されている書籍の中から、「家族の会」が編集に関わっており、介護体験が詳細に記録されている5冊を選出した。この5冊に掲載されている65人の介護体験を記述データとして質的に分析し、先行研究において宮上が提示した「家族の痴呆介護実践力の変化プロセスモデル」における概念とカテゴリーの検証を行った。 (3) (2)の分析によって再構成された家族の認知症介護実践力の変化に関する45概念に基づいて、介護実践力の向上を促進あるいは阻害する要因について、検討を行った。 (4) (3)によって明らかになった家族介護者の介護実践力の向上を促進する要因として、「認知症高齢者との関係性およびケアの方法についての介護者の認識の転換」があった。この介護者の認識の転換プロセスを明らかにすることを目的として、下記の対象者に対して個別面接調査を行った。面接によって得られた介護経験や生涯学習による認識の変化についてのデータを逐語録としてまとめ、修正版グラウンデッド・セオリーに基づいて質的に分析を行っている。 ・老人福祉施設に就職後2年未満の介護職員(9名) ・老人福祉施設での実習を終了した学生(4名) ・初期から中期の認知症(アルツハイマー型、脳血管性)で、総合病院の神経精神科外来にて通院治療を継続している患者の主介護者(6名)
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Research Products
(1 results)