2005 Fiscal Year Annual Research Report
成人前期女性のキャリア形成と生涯学習の役割-日・英・蘭・の比較研究より-
Project/Area Number |
16530527
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
矢口 悦子 東洋大学, 文学部, 教授 (20331449)
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Keywords | キャリア形成 / 生涯学習 / 成人前期女性 / 国際情報交換 / イギリス:オランダ |
Research Abstract |
成人前期の女性がどのようなキャリア展望を抱いており、その実現のために生涯学習はいかなる役割を果たす必要があるのかを明らかにすることが本研究の目的であった。平成16年度は、日・英・蘭にて合計47名の女性にインタビュー調査を実施した。その結果、日本の女性たちには他の2国とは異なる「不安」が見られることと、20歳代後半から30歳代にかけてキャリアを再構成する希望が強いことが明らかになった。こうした結果を基に、平成17年度は、成人前期女性へのアンケート調査を実施した。回収数は471名(平均年齢25.9歳)であり、結果の概要は以下の通りである。 1、キャリア展望としては、職業と家庭生活の両立の希望が最も多く(46.7%)、次に中断再就職(36.1%)を望んでいる。また、育児休業制度の利用希望も過半数を超える。 2、未婚率上昇の理由については、「男性との価値観の相違」が支持されており、「忙しくて付き合う時間がない」等の理由はあまり支持されていない。 3、現在の職業については「不満」はそれほど高くないが、将来に対する「不安」は強い。その中身としては、「経済的な困難」(54.0%)が傑出しており、「仕事を続けられるか」(35.5%)がそれに続く。こうした「不安」は不安的な雇用形態にあるものほど強い傾向が見られた。 4、学習に対する希望は全般的に強く見られ、「資格や免許を取るための学習」「一般教養を高めるための学習」「自分の本当にやりたいことを見つけるための学習」が85%強あり、パソコンやコミュニケーションスキルがそれに続く。 以上より、資格にかかわる学習機会を充実する必要性はもちろんのこと、「自分のやりたいことを見つける」というやや漠然とした希望にこたえられるような、総合的なキャリアガイダンスや学習機会を、いったん社会人としての生活経験を持った成人前期に改めて設定する必要性があると考えられる。
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Research Products
(3 results)