イギリス教育改革における「教師の資質」の向上政策に関する研究

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16530535
• Research Institution: Aichi Konan College
• Principal Investigator: 冨田 福代 愛知江南短期大学, 教養学科, 助教授 (40369591)
• Keywords: イギリス教育 / 教師の資質能力 / 教師教育 / 教員養成 / 教育改革 / 教師のライフコース / 教師の専門家自治 / 教師の職能開発

Research Abstract

本研究は、イギリスが1980年代から取り組んできた教育改革の中で「教師改革」に焦点を絞って研究調査を行うことを主な内容としている。3年間の研究調査を通してその中心課題である教師の資質能力を明確にするとともに、そのための政策を整理して有効性を検証することがねらいである。
初年度にあたる16年度の主な計画内容は、これまで集積した関連の政策文書や文献を整理して、その流れを大きくつかみ来年度の本調査の準備をすることであった。その目的は概ね達成されただけでなく、本研究と関連した内容の研究に参加する機会が得られたため、質量ともに充実した調査が可能となりより深い研究を進めることができた。主な研究成果は以下の通りである。
1.1980年代からのイギリス教育改革と教師教育政策に関わる法令、通達、緑書、白書、ガイドラインなどの重要な政策文書を時系列に整理して、リストを作成した。
2.現地調査を16年11月23日〜30日に実施して、GTCの政策担当者に聞き取り調査と資料の収集を行った。本研究協力者であるロンドン大学教授と小学校校長と研究協議をおこなった。
3.16年12月発足の文科省委嘱「教員免許の総合化に関する調査研究」の委員として、17年2月13日〜21日イギリス現地調査の機会を得た。本研究と調査対象が重なるため、あわせてデータの収集を行うことができた。当初の計画では2年目に行うことになっていたTTA、GTC、Ofstedの調査も、教師教育や教員養成に関わる担当者に聞き取り調査を行い、関係する多くの資料を入手することができた。
これらの貴重な資料と調査結果を整理して、17年の夏までに資料集としてまとめる予定をしている。
研究2年目にあたる平成17年度は計画を修正して、補足資料の収集と学校現場や教師を中心に実態調査を行う予定である。