2004 Fiscal Year Annual Research Report
基礎教育普遍化をめざす草の根レベルの教育計画におけるNGOの機能に関する研究
Project/Area Number |
16530541
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
渋谷 英章 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50183398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 和人 東京女子体育大学, 体育学部, 助教授 (70366376)
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Keywords | 基礎教育 / 教育計画 / インド / NGO / 住民参加 |
Research Abstract |
1.トップ・ダウンの教育計画から草の根レベルの教育計画への転換の検討 UNESCO・IIEPにおける草の根レベルの教育計画の展開を検証するとともに、インド国立教育計画行政研究所(NIEPA)において開発されてきているコミュニティ教育計画の手法に焦点をあて、その実際を検討した。NIEPAは、IIEPとの密接な関係のもとで、インドをはじめとする第3世界フィールドとしてこの手法の開発を行ってきている。そのほか、インド文部省、および国連とインド文部省との共同計画である「JANSHALA」プログラム等にヒアリング調査を行った。 草の根レベルの教育計画はコミュニティ住民を主体とするものであるが、住民自身が現状を認識し教育の重要性とニーズを自覚することが前提とされ、外部からのインパクトが求められる。ただし、そのインパクトはコミュニティに権威主義的な影響を与えるものであってはならないことから、コミュニティ・レベルでのプロジェクトの遂行にかかわるNGOの役割が重要になる。NGOは、財政的・行政的責任を持つ政府・行政機関や専門的指導助言を行う研究機関などと、コミュニティ住民とを結びつける機能を果たしていると考えられる。 2.草の根レベルの教育計画に関する国際NGOの機能の検討 国際NGOである「Save the Children」および「Action Aid」のインドにおける活動をもとに検討した。インドでは国際機関が直接に教育計画を実施することは認められていないので、連邦政府及び州政府のプロジェクトに協力するという形態をとっている。しかしながら、そのプロセスを通じて、それぞれの国際NGOの方針やそれまでの経験に裏付けられた計画実施の具体的手法が少なからぬ影響をもたらしているといえる。
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