多文化社会ヨーロパの民主的市民教育に関する研究

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16530547
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 吉谷 武志 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (60182747)
• Keywords: 市民教育 / 欧州審議会 / EUの教育 / 異文化間教育 / 多文化社会 / 多文化教育 / ヨーロッパの教育 / マイノリティ教育

Research Abstract

今日、ヨーロッパ各国は、多様化し多文化化するヨーロッパにおいて、自国社会が特に宗教的な背景や人種差別などにより断片化する危機に瀕しているという共通認識を持っており、それに対処するために「民主的市民教育」、「異文化間教育」を子どもから成人までを対象に実施することが課題となっている。このため、EU及び欧州審議会(ストラスブール・フランス)は2005年を"European Year of Citizenship"に指定し、民主的市民形成のためのキャンペーンを実施した。
本研究は、EU及び欧州審議会がその中心となり実施しようとしている「民主的市民教育」、「異文化間教育」について、現地での調査を元にその現状と到達点を明らかにしようとしている。特に、その際、その実践的な展開を具体的に明らかにすることが必要であると考え、2回にわたる現地調査を実施し、学校及び社会における民主的市民教育についての資料を収集した。
具体的には、EU本部(ブリュッセル)及び欧州審議会本部(ストラスブール)において政策立案担当者へのインタビューと資料収集、リーズ大学市民教育研究センター(英国)での調査と先進的実践を行う現地校(Allerton High School)の調査、アンネフランクハウス(国際理解教育研究所)における実践に関する情報収集、関係学会への参加(スペイン)など、広範な資料収集、情報交換・研究交流活動を行った。