2006 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスにおける「教育と福祉」協働システムの社会的公正戦略における効果性
Project/Area Number |
16530548
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岩橋 法雄 琉球大学, 法文学部, 教授 (20108971)
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Keywords | 教育福祉 / 祉会的排除 / 貧困 / 社会的公正 / social exclusion / education action zone |
Research Abstract |
「教育と福祉」の協働システムの確立についてはまだ議論の余地があるものの、少なくともブレア労働党政権はwelfare-to-workを理念に、特に青年の被雇用能力改善の諸施策を打ち出し、教育と福祉の協働を推進してきた。この被雇用能力改善は、たんに労働市場への参入促進にとどまるならば、高度な知織集約型の産業構造とグローバリゼーションの進行の中では、低賃金・労働強化を強いられる層と高度な知識獲得を背景に豊かな利潤の分配を得る層とに二極化していく傾向を促進することになる。そして、前者は祉会的に排除されていく。そこで、教育アクション・ゾーンを設定し、その地城の学校などに特別補助、ならびに改善の成果に応じての褒賞助成を行った。また地域でのtruancyや10代母親へのケアと、社会的に排除される因子を持つグループの祉会的参加に取り組んできた。たしかに数植的に見ても、政権誕生時の会計年度(97-98)を別として、教育費は4.48、4.48、4.62、4.92%(01-02年度)と増えている(GDP比での政府支出の割合:出典ONS)。 しかし、福祉費は減っており、貧困の傾向は今日も大きく変わらないので示せば、平均以下の収入の世帯の個人の人数は、1979年「不満の冬」の8.5%(500万人)から増加し続けている。そして、ピーク時の92-93年の25%(1330万人)からは横ばいの状況であり改善されていない(98-99年で、25%、1420万人)。【DSS、199a、pl72; DSS、2000、p205】 これらは、教育費などの増加にみるように褒賞のシステムでアド・ホックに出されるもので、基盤全体として充実させることにはなっていない。社会的公正は、welfare-to-workによる諸施策に貫かれている要素である市場的競争によりその効果性が大きく損なわれているといわざるを得ない。
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