2005 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおけるNGOの基礎教育支援活動についての調査研究
Project/Area Number |
16530554
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
前林 清和 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10241168)
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Keywords | カンボジア / ノンフォーマル教育 / 移動図書館 / 小学校運営 / 識字率向上 / 初等教育の普及 |
Research Abstract |
カンボジアにおけるNGOの基礎教育支援活動に関する調査および研究を次のように行った。 1)昨年度未に行ったプノンペン郊外におけるNGOによる教育支援活動に対する地元住民の意識調査(保護者と子ども)のデータ処理を行った。現在、データをもとに論文を作成中である。 2)わが国の教育NGOである特定非営利活動法人NGO活動教育研究センターが行っているプノンペン郊外における基礎教育活動支援の内容とそれに関する調査をおこなった。具体的には、移動図書館活動によるノンフォーマル教育活動を行っている。現在、4つの村をカバーしており、その運営形態は、日本人主導ではなく、カンボジア人スタッフによるものであり、さらに、村の若者がスタッフとして参加して子どもたちを教育するシステムが確立されているところに新しい支援活動の方向性がみられる。 3)カンボジア北部のポイペト市において小学校教育活動を展開しているC・C・HOMEの運営形態および運営状況についての調査を行った。ポイペト付近の識字率は、カンボジアの中でも特に低い地域であり、はっきりした統計は取れていないが、20%を下回っていると思われ、また小学校が1つもない村が多数存在する。その地域で、C・C・HOMEは、学校建設だけでなく、運営も含めて総合的な初等教育支援活動を展開し、識字率向上および初等教育の普及を目指している。その運営形態は、まず地域住民からの小学校設立の要請に基づき、住民参加を前提に設立している。建設に当たっては、地元の雇用対策を考えて村の住民を雇用して行われている。また、教員の給料の支給、教員研修なども行っている。現在、小学校23校、中学校1校を運営しており、生徒数約6000人の規模に及んでいる。NGOの規模に比べて活動の大きさが際立っており、その内容も極めて質の高いものといえ、民間支援活動のモデルとして据えることができよう。
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