2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530558
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
渡辺 雅子 国際日本文化研究センター, 海外研究交流室, 助教授 (20312209)
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Keywords | フランスの教育 / コミニュケーションスタイル / 宗教教育 / 教員養成システム / 国語教育 / 歴史教育 / 市民教育 |
Research Abstract |
プロジェクト2年目にあたる今年度は、フランスでいかなるコミュニケーション能力の育成が行われているのかを検証するため、リヨン市で種類の異なる複数の学校(公立小学校(Ecole Jean Jaures)、カトリックの私立学校(Ecole Deborde)、モンテッソーリ教育法を実践する私立学校(Ecole Montessori))を訪問し、国語と市民教育、歴史の授業を中心に授業観察と教師のインタビューを行なった。また、教会における要理教育や、修道院での子どもの聖体拝受のための準備プログラムにも参加し、公的な教育を補完するフランスの宗教教育の実地調査を行った。さらに、リヨンの国立教員養成大学院(Institut Universitaire de Formation des Maitres)のブレフ教授と教員養成システムと研修制度について日仏比較の意見交換を行った。「良い授業」のモデルはどこで形作られどう変遷してきたかが主な論点であった。昨年9月よりリヨン教育省の視察官が前任者の退官に伴って替わったため、調査の概要報告を行なうとともに、来年度の調査の打ち合わせと調査校訪問の許諾を得た。 今回の調査では、授業のみならず「人種差別」をテーマにした子どもたちによる哲学の議論の会と、「市民性とは何か-行動する市民と批判精神をどう育てるか-」を論題にした両親の自発的な夜の討論会に参加することが出来た。 フランスにおける様々な教育の形を見たが、その多様性よりもそれらを貫く原理は変わらないという知見を得たのが今回の調査の最大の収穫である。まず「言葉の定義」を行い、次に「歴史の例」に立ち戻って現在の問題の源泉を探る方法は、公立・私立学校、或いは宗教の教理教育においても変わらない原則であり、そこからは局所的な問題を常に全体の中に位置づけようとするフランスの思考表現の特徴が見られた。
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Research Products
(1 results)