2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代の「職人」に着目した社会科学習における新たな職業観、職業意識の育成
Project/Area Number |
16530566
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大澤 克美 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20323735)
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Keywords | 職業観 / 労働観 / 社会科 / ものづくり / 技術・技能 / 働く人間 / 産業 / 経済 |
Research Abstract |
本年度は、補助金交付の決定時期との関係から当初の予定を一部変更し、小・中学生に対する職業観・労働観のアンケート調査を規模を拡大して実施した。小学生については産業学習を終えた5年生1829名(東京都内公立小学、東京学芸大学附属小学校、島根県松江市公立小学校)を対象とし、中学生については公民分野の学習をほぼ終えた3年生1119名(都内公立中学校、同上附属中学校、私立中学校、松江市公立中学校)を対象とした。その結果からは、子どもたちの職業観・労働観の発達や特徴、社会科との関わりに見る問題点などが明らかになっている。 また、情報収集の結果を踏まえ、今や日本的なものづくりを代表するようになったトヨタグループの中核であるデンソーとアイシン精機を取り上げ、技術・技能の向上・育成を担うセクションの調査を行った。さらに大田区産業振興課の協力を得て、区内に集積した中小製造業の中から高い技術力を発揮して活躍しようとしている工場を選び出し、調査を行った。併せて、元旋盤工で作家として活躍している小関智弘氏と、ものづくりの多元的なネットワークの構築に努める(株)マイスター代表取締役高井作氏にインタビューを行った。 そうした中で、ものづくりにおける人間の役割が益々重要になっていること、ものづくりに携わる人々の技術・技能への注目が働く人間の理解にとって重要であること、硬度熟練技能者やその仕事と出会いが子どもたちの職業や労働への関心、理解に効果的であることなどが明らかになってきた。そこで、先の職業観・労働観のアンケート調査と聞き取り調査などの結果をもとに、教材化の対象を絞り込み、小学校産業学習における工業単元のパイロットプランを作成した。
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Research Products
(1 results)