2005 Fiscal Year Annual Research Report
中学校数学科における,民主的資質を育む論証指導カリキュラムの開発
Project/Area Number |
16530575
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岩永 恭雄 信州大学, 教育学部, 教授 (80015825)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 樹夫 信州大学, 教育学部, 助教授 (10261760)
|
Keywords | 中学校 / 数学 / 論証 / 民主的資質 |
Research Abstract |
民主的な資質を育む論証指導カリキュラムを開発する準備として,中学2年における論証指導の実態把握と,証明の様々な学習活動の長期的な視点からの分類に取り組み,次の成果を得た。 ●中学2年における論証指導の実態把握 現行の論証指導カリキュラムが教室でどのように実施されているかをとらえるために,公立中学校における論証指導の35授業時間を記録した。その結果,多くの生徒が図形の性質や関係を証明できないという実態とともに,命題の全称性の確立等といった証明の意味や意義を十分理解しているとはいえないこと,特に,証明によって民主的な判断が可能な,数学以外の場面が生徒の身の回りに数多くあり,道徳等の教科で扱われているにもかかわらず,論証指導として,あるいは,論証指導と関連付けて扱われていないことが明らかになった。. ●中学校数学の論証指導における諸活動の分類枠組みの設定 中学校数学の論証指導において,証明の学習活動に着目する必要がある。特に証明の学習活動に関する実践的な諸研究を長期的な視点から調えるために,証明のしくみや意義・役割等の諸特性が反映されるとともに,子供の学習として一定の方向性が明示された枠組みが必要である。そこで,中学校数学における証明の学習活動の構成要素として,証明のしくみと機能(学びの対象),子供の営み(学びの方法)に着目し,それぞれの構成要素に中学校数学として必要な範疇を設定した。その上で,証明の学習活動の構成要素の関係について考察し,中学校数学における証明の学習活動を分類するための枠組みを設定した。
|
Research Products
(1 results)