2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会科公民教育における英国シチズンシップ教育の批判的摂取に関する研究
Project/Area Number |
16530584
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
水山 光春 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (80303923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 誠 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (00293978)
吉田 正生 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20261373)
藤原 孝章 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70313583)
吉村 功太郎 東北学院大学, 教養学部, 助教授 (00270265)
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Keywords | 社会科教育 / 公民教育 / シティズンシップ教育 / 国際研究者交流 / イギリス |
Research Abstract |
本研究が与えられた研究期間の3年間で目ざしているのは以下の3点である.(1)英国における新教科「シティズンシップ」の目的や理念がテキストや学習プラン,教材にどのように具体化されているかを理論的に分析する.(2)授業としての「シティズンシップ」がどのように行われているか,上記のテキストや教材がどのように活用されているか,現況を調査する.(3)上述の結果を批判的に摂取することを通して,わが国の社会科公民的分野においてシティズンシップの育成をめざすモデルテキストを開発する. そのために,本年度は以下のことを行った.1)英国における教科「シティズンシップ」の実施状況および実施上の課題を把握するための現地調査,授業者・専門家へのインタビュー.2)海外の専門家を日本に招聘しての国際シンポジウムの開催.3)代表的なテキスト,教材を分析する. その結果,以下のような成果を得た. (1)現地地調査を通して大きく次の3点が明らかになった. ・教科「シティズンシップ」は学校全体のカリキュラムのなかに着実に根づき,独立教科として発展しつつあること, ・シティズンシップの実施においては,学校全体の理念や生徒会活動との関わりが極めて重視されていること ・新しい教科にとってはどのように評価するかが大きな問題となるが,評価は学校,LEA,全国レベルでシステム的に行われ,保護者からも特に問題点の指摘がないこと. <2>現地研究者(Margot Brown氏:ナショナル・コーディネーター)を日本に招いて,グローバル・シティズンシップの視点からシティズンシップ教育の現状と課題について検討した. <3>「Citizen and Society」の分析を通して,シティズンシップ教育の理念としての「批判的思考」の重要さが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)