2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530589
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
矢部 敏昭 鳥取大学, 地域学部, 教授 (50230298)
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Keywords | 特殊と一般 / 事実理解 / 自己理解 / 思考の様式 |
Research Abstract |
本年度の研究成果としては、第一に学習評価の具体的な意味に関して、具体的な事例を通して、1)授業構成の視点の設定に関する機能、2)教材開発に基づく問題の構成に関する機能、3)教師の支援と算数的活動に関する機能、4)振り返り活動に関する機能、について実証的考察を行ったものである。 第二に目標論の検討に関しては、算数・数学学習の特性として、1)特殊の背後にある一般を志向すること、2)一般の中にある特殊を志向すること、の2点を指摘し、その過程で学習者にもたらされる「正確なる事実理解」と「自己理解」に着目した考察を、いくつかの事例を取り上げて行ったものである。また、算数・数学の学習を通してどのような学習者を育て得るか。算数・数学教育学の人間形成に果たす役割と機能に関して、数学の4つの側面(Learning Mathematics for a New Century ; the four faces of mathematics)や学習の4本柱(the four pillers of education)から検討を行い、算数・数学学習の過程で展開される思考の様式(mode of thought)として、以下の4つの視点を指摘したものである。 その第1の視点は、「知る一つの方法」としての算数・数学(mathematics as a way of knowing)の学習である。 その第2の視点は、「行う一つの方法」としての算数・数学(mathematics as a way of doing)の学習である。 その第3の視点は、「推論の一つの方法」としての算数・数学(mathematics as a way of reasoning)の学習である。 この視点に関しては、特に帰納的推論、蓋然的推論の過程にみられる思考の方法である。 その第4の視点は、個と集団の関わりから「他者と関わる一つの方法」としての算数・数学(mathematics as a way of learning together)の学習である。
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Research Products
(2 results)