2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530589
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
矢部 敏昭 鳥取大学, 地域学部, 教授 (50230298)
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Keywords | 自己評価活動 / 自己目標 / 自己学習活動 / 授業評価 / フィードバック / フィードフォワード / 自己学習能力 |
Research Abstract |
本年度は、第一に数学教育学における子どもの自己評価能力の形成に関して、自己評価活動を構成する枠組みについて再考し、「自己活動」を「自己学習活動」と改めるための理論的検討を行った。 第二に、目標論と表裏の関係にある評価論に関して、特に授業評価の概念としてフィード・フォアードの考え方を導入し、目標達成に向けた目標論及び評価論の基礎的な考察を試みたものである。 従来の評価は、例えば授業分析として教授-学習行動についての詳細の記述や、教授と学習行動の相互作用を分類するなど、授業の展開と学習者個々人の学習の変容過程を検討し、考察するものが多く試みられてきた。しかし、これらの評価はどちらかというと他者評価を中心とするものであり、授業の過程とその成果とを関連させ統一的に評価する発想は乏しかったと言える。 本研究では、評価の主体者を主体者自身に置く自己評価を展開したものである。授業評価の機能と役割を考えるとき、評価の主体者は授業を構想する教師自身と授業を作り上げる学習者自身に着目することが考えられる。そして、前者の自己評価は教師の指導の改善を目的とし、後者の自己評価は学習者の学びの改善を目的とするものである。また、従来の自己評価としてのフィード・バック機能は、特に学習活動を展開する中で行う活動の省察(ここでは、reflection on actionとreflection after action)に加えて、次時の学習を構成するためのフィード・フォアード機能に着目したものである。ここに、本年度の研究におけるオリジナリティを提案する。
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Research Products
(7 results)