2004 Fiscal Year Annual Research Report
人命・人権尊重に基づく規範意識を育成する判決書活用型授業・研修プログラムの開発
Project/Area Number |
16530606
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
梅野 正信 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (50203584)
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Keywords | いのち / いじめ / 暴力 / 民事訴訟 / 判決書 / 判決書教材 / 生徒指導 / 規範 |
Research Abstract |
本研究は、いのちの尊厳を前提とした学校内規範意識の向上のために、学校関係訴訟等の判決書教材の作成と解説、実践化及び資料・知見の収集を行うものである。研究初年度である本年度は、1980年代以降の学校関係民事訴訟と近年の児童虐待及び情報(インターネット)関係訴訟について、判例集登載判決書の全てをリストし、全事例(約200事例)の要約解説と、主要70事例の判決書教材を作成した。次年度以降は、学校を中心としつつも、DV、セクシャルハラスメント、外国人差別、ハンセン病問題、HIV訴訟などを含めて、解説、要約、教材化をすすめる。実践面では、鹿児島県横川町立横川小学校教諭蜂須賀洋一氏が、申請者と協同で授業開発、実践にあたり、申請者とともに、日本学校教育学会(04年8月)において発表した。次年度は、蜂須賀氏をはじめ、愛知県、新潟県等における研究協力者からの実践事例収集を行う予定である。申請者は、鹿児島市の向和典弁護士と雑誌連載(下記研究発表欄参照)を行い、前記訴訟関係資料の成果とあわせて、05年2月上越教育大学学校教育総合研究センターにおいて講演「自律的規範意識を育成する教育活動-教師研修・授業参観・生徒指導・教科外活動・教科の相互連携のために-」を行った。韓国の研究協力者である李明熙助教授(国立公州大学校)とは、04年9月にはソウルに申請者が出向き、05年2月には鹿児島に氏を招聘して韓国における学校内暴力等の状況を協議し、李助教授の本研究に関する講演「韓国における青少年問題の実態と青少年健全育成の展望-‘青少年暴力実態の調査'を中心に-」(青少年育成国民会議 02年11月)以降の新たなデータ等による状況の確認ができた。次年度においても、同様な問題が日本より年次を遅れて表面化しつつある韓国の現状や、本研究に対応する研究の状況、学校現場における現状等を並行して調査する予定である。
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Research Products
(5 results)