2005 Fiscal Year Annual Research Report
中学校における国語科教育と英語科教育の一般教育文法シラバスの研究
Project/Area Number |
16530610
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
市川 真文 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (50223087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勝之 武庫川女子大学, 文学部, 助教授 (80215772)
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Keywords | 文法学習 / 国語科 / 英語科 / 中学校 / 教科書 |
Research Abstract |
中学校での、ことばへの認識を深め、言語運用能力を養うための文法学習のあり方を探るために本研究を立案した。平成16年度は、現行教科書の文法事項に関連する教材の資料化を行い、また、中学校教員から、文法の学習指導について聞き取りを行った。これを受けて、平成17年度は、言語運用能力を意識した文法項目の策定と国語科・英語科に共通する学習項目の選定を行った。また、中学校第1学年から第3学年までの生徒を対象として、文法学習についての意識調査を行い、あわせて、文法的認識を育成するための授業モデルを提示するため、実地授業を行った。 1.文法項目 文法の体系的知識に偏らず、言語運用の能力に結びつくように文法項目を立てることを考えた。言語活動にあたって、(1)言語行為の目的、(2)言語行為の計画、(3)言語行為の実行、(4)言語行為の評価、(5)言語行為の評価反応の5過程を想定したとき、(4)言語行為の評価の能力のみならず、各項目を関連づけ調整する能力に文法学習の成果を結びつけたいと考えた。すなわち、言語活動の評価能力育成を文法学習のねらいとできるような学習項目を検討した。 2.意識調査 中学校第1学年から第3学年の各1クラスを対象に、質問紙による意識調査を行った。その結果、文法学習については、必要性の意識は高いが、学習への興味・意欲は低く、学習の達成感も乏しいことが分かった。とくに、文法を学習したことでことばへの認識が深まったとは言い難く、文法学習が機械的な暗記による、学習のための学習になっていることには改善の必要性がある。 3.実地授業 中学校1年生を対象に、文についての授業を行った。文とは何か考えることで、日常見過ごしている言語現象を論理的に考えるきっかけとなるように考えた。ワークシートを使用し、漠然ととらえている文の意識を再検討する活動を学習活動の中心にした。
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