2005 Fiscal Year Annual Research Report
高機能自閉症の子どもの自己認識の発達と障害受容プログラムの開発
Project/Area Number |
16530622
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
別府 哲 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (20209208)
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Keywords | 高機能自閉症 / 学童期 / 自己認識 / 発達的変化 |
Research Abstract |
高機能自閉症児の自己をあつかった先行研究のレビューを行った。その結果、本来、自己認識は他者から自分がどうみられているかを理解することとセットで成立すると考えられていること、高機能自閉症児は「心の理論」欠損仮説にみられるように他者認識自身に障害を持つこと、その2点より、高機能自閉症児は自己認識に障害があるという暗黙の前提があったことが明らかにされた。そのため、高機能自閉症児の自己認識を正面から取り上げた研究はほとんどみられていない。 高機能自閉症児ではないが、知的に遅れを持つ自閉症児の自己認識について、半構造化面接を用いた、Lee & Hobson (1998)の研究は示唆を与える。そこで、今年度、Demon & Hart(1998)、佐久間ら(2000)、Lee & Hobson(1998)を参考に、「○○ちゃんは、どんな人かな」、「○○ちゃんの良いところはどういうところ?」など、自己に関する質問項目(自己定義・自己評価・時間展望など)を策定した。そして、小学校低学年から中学生の高機能自閉症児40名以上、そして健常児としての小学校2・4・6年生各20名ずつに、半構造化面接を行って自己認識について調べた。その結果を、佐久間ら(2000)と性格のビッグ・ファイブ理論をもとに、項目分析指標を確定し、複数の研究者で分類した結果、一致率が85%以上であることを確認した。 次年度において、この分類した項目結果について、まず、高機能自閉症児、健常児それぞれの発達的変化について、その次に、高機能自閉症児と健常児の差異について、それぞれ検討する予定である。
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Research Products
(1 results)