2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530625
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 秀之 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90294496)
|
Keywords | 視覚障害教育 / 弱視教育 / 視覚補助具 / 弱視レンズ / 弱視レンズ活用訓練 / 自立活動 |
Research Abstract |
平成9年度〜平成16年度の教育学研究科附属障害児教育実践センターの教育相談に来談した弱視児に対する弱視レンズ活用指導の記録から弱視レンズ活用訓練の方法を検討することを目的とした。 弱視レンズ活用訓練の方法として広く用いられている「年少弱視児用弱視レンズ基本訓練プログラム」と「弱視レンズ広視野空間探索訓練プログラム」を活用した指導結果から,おおむね良好な指導結果が得られることが整理できた。ただし,基本訓練プログラムにおいては,「動体へのピント操作」課題において困難を示す弱視児も存在することから,本課題の導入の時期を遅らせる必要性が示された。また,広視野空間探索訓練プログラムにおいては,「地図上位置関係の把握」課題において困難を示す弱視児がみられた。このため,その前段階課題として「記号位置関係の把握」という新規課題を導入した結果,「地図上位置関係の把握」課題がスムーズに達成できており,この新規課題の効果を今後も検証していく必要性が示された。 さらに,研究開始時に作成段階にあった訓練教材に関して,盲学校や通級指導教室(弱視)の教諭から,一部教材でコントラストが悪いことが指摘された。さらに,弱視レンズ活用訓練プログラムの訓練素材に関しては,教育現場では必要に応じての対処療法的な作成にとどまったり,教材管理が不十分な点から,一括した訓練素材の完備という点でも評価された。また,附属障害児教育実践センターの来談者への適用状況から,羞明のある眼疾患の場合,白黒反転させた教材が有効である可能性が示された。
|