2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 哲男 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90016147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 豊文 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20004400)
佐藤 篤 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30241516)
田中 一之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70188291)
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Keywords | 楕円曲線 / 代数体 / アーベル曲面 / 虚2次体 / 虚数乗法 / ガロア降下法 / 類数 |
Research Abstract |
代数体上で定義された楕円曲線が持つ様々な特性について研究を行っている。 (1)有理数体上で定義された特異アーベル曲面の決定 複素数体上で、虚数乗法をもつ楕円曲線の直積と同種になる曲面は特異アーベル曲面と呼ばれる。本研究では、特に有理数体上で単純な特異アーベル曲面を同種写像を法として決定するという問題を考えた。虚2次体のヒルベルト類体上の楕円曲線を用い、ある代数拡大によるガロア降下法により得られるアーベル多様体の因子として、このようなものが得られる。特異アーベル曲面が出てくる最小のガロア拡大や虚2次体を確定する事により、この間題を解決することができる。このとき、関連する虚2次体は類数が4以下の有限個しかなく、ガロア拡大のタイプも決定できた。この結果の一部は、早稲田大学整数論研究集会2004報告集に発表した。 (2)楕円曲線の有理等分点群 代数体上の楕円曲線の有理等分点群の位数は有限である。楕円曲線の同種写像類を一つ固定して、その中で群の位数がどのように変化するかを考察した。まず、最大の位数に関してはN.Katzによる一つの結果が知られていたが、今回これと同値な定理を与え、それのはるかに初等的な証明に成功した。さらに有理等分点群の同型類の分布や最小位数についてもいくつかの結果を得た。 (3)代数体の類数の可除性 楕円曲線の同種写像を用いた代数体の類数の可除性についての研究を行っている。特に類数が5で割れるような2次体の特徴付けの研究を行っている。まだ、公表するような結果にはなっていないが、計算機を使って実例を作りながら、次年度も継続して研究する。
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Research Products
(3 results)