2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540027
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
隅広 秀康 広島大学, 大学院理学研究科, 名誉教授 (60068129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 亮 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10252420)
|
Keywords | 代数学 / ベクトル束 / Hartshome予想 / 行列式多様体 / ヒルベルトスキーム / フロべニウス写像 / 半安定ベクトル束 |
Research Abstract |
射影空間P_k^n(n≧4)上の階数2のペクトル束の線東への分解問題を研究し、以下の諸結果を得た。 1)Bogomolov分解の変形の研究。EをP_k^4(k=k, chark=p>0)上の階数2のベクトル束でc_1^2-4c_2≧0(c_1:Eの1次チャーン数)を満たすものとする。XをEに付随する行列式多様体、Z, Z^*をEに付随するX上の因子とする。このとき、Fを次数q=P^nのXのFrobenlus写像としEのFによる逆像をE^<(q)>とすると、E^<(q)>∈H^1(X, O(-q(Z+Z^*)))。E^<(q)>の任意の変形G∈H^1(X, O(-q(Z十Z^*))はBogoriiolov非安定であり次のBogomolov分解をもつ。 0→O(qC+rZ)→G→I【double arrow】【cross product】O((2q-r)Z)→O_0 定理・Eが線束に分解することと、r≧qであることは同値である。 2)Frobenius写像による順像の安定性の研究。Xを代数閉体k(p=char k>0)上定義された非特異射影多様体、FをXのFrobenius写像とする。 a)順像F_*(E)のチャーンクラス:EをX上の階数rのベクトル束とし、K_XをXの標準因子とすると、 C_1(F_*(E))=r(p^n-p^<n-1>)/2K_X+P^<n-1>C_1(E)(n=dimX)。 b)F^*F_*(O_X)の標準Filtrationsと標準Connections・F^*F_*(O_X)に標準Filtration I=(I^1)を導入して、次の等式を得た。X'を代数曲面とし、Ω_x^1を正則一次微分形式のなすベクトル束とするとき、 Gr^1(I)=S^1(Ω_λ^1)(0≦1≦p-1),Gr^1(I)≡K_X°^(i-p+1)【double arrow】【cross product】S^<2p-2-1(Ω_λ^1)(p≦1≦2p- 2)。 a),b)の結果を踏まえて、順像F_*(L)(L-X上の線東)の安定性について次の結果を得た。 定理 X、をΩ_x^1が数値的に正な因子Hに関して半安定で、K_λH>0を満たす一般型代数曲面とする。このとき、X上の任意の線束Lに対して、順像F_*(L)はHに関して半安定である。、さらに、XをK_λが数値的自明、Ω_x^1が数値的に正な因子Hに関して半安定である一般型代数曲面とすると、F_*(L)はHに関して半安定である。 以上の結果を論文:Canonical filtrations and stability of diriect images by Frobenius morphismsにとりまとめ、現在雑誌に投稿中である。また、上記研究成果に関して京都大学数理解析研究所、北海道大学、京都大学、東北大学、日本大学、九州大学、等の研究集会や代数幾何学セミナーで招待講演を行った。このように、上記結果は高く評価して頂いていると思われる。
|