2005 Fiscal Year Annual Research Report
p進ディオファントス幾何学の手法でabc予想を解明する:周期予想経由の新考察
Project/Area Number |
16540044
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平田 典子 (河野 典子) 日本大学, 理工学部, 教授 (90215195)
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Keywords | abc予想 / p進楕円対数 / 指数方程式 / 単数方程式 / 単数方程式 / 対数一次形式 / 整数値関数 / 1変数複素整関数値の数論的性質 |
Research Abstract |
abc予想に対する講究および,abc予想に関連した様々なディオファントス問題の研究に今年度は従事した. 1)指数方程式の解の個数の評価について:a,b,cを2以上の自然数として固定,それらの累乗を考える.aの累乗とbの累乗の和がcの累乗に等しいときに,指数部分の自然数を未知数とした方程式を考える.これを指数方程式と呼ぶことにする.この解の個数は有限個であることが知られているが,そればかりではなく,解の個数は実際には2の32乗個でおさえられる,すなわちa,b,cによらない絶対定数で上から評価されることがわかる.これはF.Beukers -H.P.Schlickeweiによる単数方程式の結果の,簡単な応用から得られる.さて平田はこの結果をさらに改良することが出来,IndiaのTata Instituteにて講演した.現在論文を執筆中であるが,ポイントは数の幾何学の利用である.もとの単数方程式自身についての結果も得た. 2)p進楕円対数一次形式の評価について:上述の指数方程式の解の有限性はp進版対数一次形式の評価からも言える.この評価であるが,E.Matveevによるp進でない場合の評価の改良の数の幾何学的な手法が,p進版の評価の改良にも使えることをYu Kunruiは示した.平田はその楕円p進版への適用を行い,計算を遂行した. 3)整数値関数の性質について:関数の値の数論的性質について多少の考察を行うことが出来た.具体的には「自然数での値が整数に十分近い1変数複素整関数は有理数係数多項式である」というPisotの結果のSchneider法による証明と一般化を行った.
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Research Products
(1 results)