2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540053
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
稲葉 尚志 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40125901)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 俊 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40114566)
久我 健一 千葉大学, 理学部, 教授 (30186374)
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
高木 亮一 千葉大学, 理学部, 教授 (00015562)
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
|
Keywords | 積分不可能平面場 / 局所剛的 / エンゲル構造 / 特性葉 / 射影構造 / エントロピー |
Research Abstract |
本年度は、海外共同研究者ワルチャック教授の主催するポーランドでの国際会議において、本研究において現在までに得られている成果について研究発表を行い、関連する研究に取り組んでいる世界の研究者たちと大いに研究連絡を行った。また、東京大学玉原国際セミナーハウスで開催された葉層構造に関する研究集会で本研究に関する研究発表を行った。 本年度に得られた研究成果は以下の通りである。まず、高位接触多様体について、標準分布およびその誘導分布に対してシンボル分布の葉が局所剛的であることを示した(シンボル分布は大抵の場合或るコーシー特性分布に一致する)。この事実の一般の分布への拡張を、余接束上の標準シンプレクティック形式の退化と関連付ける方向で現在鋭意考察中である。次に、すべての1次元射影構造は或るエンゲル多様体の特性葉の標準射影構造として実現可能であることを示した。また、力学系理論との関連では、葉層(すなわち積分可能平面場)に対して定義されたGhys-Langevin-Walczakの幾何学的エントロピーの、積分不可能平面場への一般化を考察し、幾何量が有界な積分曲線に着目することによって意味のある定義が可能になることを見出した。その応用として、エンゲル構造の場合、そのすべての特性葉の展開写像がモデル射影直線へ充分全射であるときはそのエンゲル構造のエントロピーは零であることが証明できた。 これらの結果の一部分は現在「On rigidity of submanifolds tangent to nonintegrable distributions」というタイトルで論文にまとめ、上述の国際会議の会議録(レフェリー付き)に投稿中である。
|
Research Products
(2 results)