2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16540062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高村 茂 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (20362436)
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Keywords | リーマン面の退化 / 分裂変形 / 特異点 / モノドロミー / 複素構造の変形 / 複素曲面 / モジュライ空間 / テータ関数 |
Research Abstract |
リーマン面の退化は,特異ファイバーのまわりのモノドロミーにより特徴づけられることが松本幸夫とモンテシノスにより示されている。この結果により,リーマン面の退化は特殊な写像類群の元(擬周期写像)と1対1に対応することが分かる。このことから,リーマン面の退化のトポロジカルな分類が得られる。一方,リコリッシュの古典的な結果により,任意の写像類群の元はデーン・ツイストの積にかけることが分かる。ここで次のことを問題にする。リーマン面の退化のモノドロミーを,退化の分裂変形を用いてデーン・ツイストへ分解せよ。また,このとき得られたデーン・ツイストを何らかの意味で特徴づけよ。私は剥離族と呼ばれる特別な分裂変形のクラスを構成し,それを用いて対称性が高いリーマン面の自己同相写像で,位数有限なものに対しデーン・ツイスト分解を構成した。結果から見えてくるのは,剥離族を作るときの補助点の取り方により,デーン・ツイスト分解の対称性が崩れたりする場合があるということである。今のところ完全な理論化には到っていないが,分裂変形の初期条件のデータとモノドロミーのデーン・ツイスト分解のトポロジカルな性質の間の相関関係がわかってきた。
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