2004 Fiscal Year Annual Research Report
多様体およびグラフの幾何構造、スペクトル、漸近解析の関連とその応用
Project/Area Number |
16540068
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勝田 篤 岡山大学, 理学部, 助教授 (60183779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 隆 岡山大学, 理学部, 教授 (70005809)
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
島川 和久 岡山大学, 理学部, 教授 (70109081)
清原 一吉 岡山大学, 理学部, 教授 (80153245)
田中 直樹 岡山大学, 理学部, 助教授 (00207119)
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Keywords | スペクトル / 逆問題 / 安定性 |
Research Abstract |
ゲルファントのスペクトル逆問題の安定性に関する結果の幾何学的部分の具体的再構成を行った。ゲルファントのスペクトル逆問題とは、境界付きリーマン多様体上にラプラシアンのノイマン固有値およびノイマン固有関数の境界値(境界スペクトルデータ)が与えられたとき、リーマン多様体が決定できるかと言う問題である。この問題に対し、Belishev-Kurylevの結果は、後に得られたTataruの双曲型微分方程式の解の一意性と合わせて、肯定的な解答を与えるものであった。 これに対し、実用上の観点からは実際に得られると思われる境界スペクトルデータは、一部のテータでありしかも誤差を含んでいることが多い。したがって、このような近似的な情報から、近似的にリーマン多様体が構成できるかとゆう安定性は興味深い問題である。この問題を考える際、注意すべき点は逆問題は一般にIll-posedであるので、あらかじめ多様体のクラスを決定しその範疇での条件付安定性を考える必要がある。研究代表者はこれまでKurylev, Lassas, Anderson, Taylorとリッチ曲率のノルム、平均曲率のリプシッツノルム、直径、単射半径の限界を与えたクラスの下での条件付安定性について考察してきた。しかし、この結果においては近似した多様体の再構成法が明示的に与えられていない。そこでリッチ曲率のヘルダーノルムの限界をつけ加えた状況での近似空間の具体的再構成について考察した。方法は、比較定理を用いて多様体を近似するネットを得ると言うものである。 研究分担者は上記研究に関する討論の他、サカイは幾何学的不等式のリーマン幾何的研究田村は磁場での散乱理論、池田は等スペクトル多様体、田中は非線形半群、島川は配意空間の位相、清原は、リウビル曲面のカットローカス、吉岡はは位相空間の完備性、竹内はp-Laplacian等について研究した。
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Research Products
(4 results)