2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540075
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小林 治 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10153595)
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Keywords | 共形構造 / 射影構造 / リッチ曲率 / アフィン接続 |
Research Abstract |
本年度は、交付申請書に記載した問題については、負のリッチ曲率をもつアフィン接続の問題について若干の進展があった。例えば2次元トーラスやクラインの壺に、面積要素を保つトーション無しのアフィン接続で、リッチ曲率が負定値、さらに射影的平坦であるものの構成ができた。この結果はさらに展開することが見込まれる。特に球面と実射影平面に、面積要素を保つトーション無しのリッチ曲率が負定値となるような接続の存在問題が残される。この問題は継続して考察したい。 また交付申請書には記載しなかったが、メビウス幾何に関する結果を発表することができた。メビウス幾何は基本的に共形幾何に非常に近い幾何学であり、本研究の目的に沿う研究対象である。得られた結果は次の定理である。メビウス変換の特徴付けのひとつとして意義があると考える。 虚数aをひとつ指定する。複素平面の領域で定義され複素平面に値をとる、複素解析とは限らない滑らかな写像が、非調和費がaであるような4点を、非調和費がaとなる4点に移せば、それはメビウス変換である。 これは1996年に発表されたHaruki、Rassiasの定理の拡張となっている。彼らの定理では複素解析性を仮定したが、実は上のような弱い条件で成立する。さらに条件を弱めて微分可能性すら要求しないで成立するものと思われるが、それを示すための方法は現在のところない。証明のアイデアはシュヴァルツ微分の非等角写像への一般化である。しかし、ここではこの問題に特化した証明行っており、真の一般化の定式化には至らない。この方面からのシュヴァルツ微分の一般的な定式化をすることが今後の課題のひとつである。
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Research Products
(3 results)