2005 Fiscal Year Annual Research Report
結び目および多様体の不変量として現れる保型形式と一般デデキント和に関する研究
Project/Area Number |
16540081
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
福原 真二 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20011687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 治子 津田塾大学, 数学計算機科学研究所, 研究員 (40266276)
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Keywords | 位相不変量 / 多様体 / 結び目 / デデキント和 / 尖点形式 / 周期積分 |
Research Abstract |
研究代表者の現在の研究テーマは、古典的デデキント和から発展してきた一般デデキント和(以下、単にデデキント和と記す)である。デデキント和は3次元多様体の位相不変量として現れることからトポロジストに注目されてきた。今回代表者は、このデデキント和が結び目のコンウエー多項式にも出現することを示した。具体的には二橋結び目と呼ばれる重要な結び目の多項式として、デデキント和が現れるのである。多項式の具体的な形を論文「Explicit formulae for two-bridge knot polynomials, Shinji Fukuhara, J.Aust.Math.Soc.78(2005),149-166」において与えた。 次に,デデキント和の生成関数に関する研究をおこなった。デデキント和は、もしその生成関数が分かれば扱いが飛躍的に楽になり、その性質もより透明になると期待される。その点でアポストルとザギヤーのデデキント和を含む広い意味のデデキント和に関する生成関数を与えた次の論文は意味があると思われる:「A generating function of higher-dimensional Apostol-Zagier sums and its reciprocity law, Shinji Fukuhara and Noriko Yui, J.Number Theory 117(2006)87-105」。 アポストルの和とアイゼンスタイン級数とは重みが4以上の場合自然に対応していることが分かっている。古典的デデキント和は重み2のアイゼンスタイン級数と対応するのが自然であるが、重み2のアイゼンスタイン級数が保型形式にならないため具体的にどのように対応を決めるべきか未解決であった。しかし、代表者はNoriko Yuiとの共同研究でその懸案を解決した。論文「The Dedekind symbol associated with the Eisenstein series of weight two, Shinji Fukuhara and Noriko Yui, Arch.Math.85(2005)128-140」がその結果をまとめたものである。 研究分担者は、ブラニアン絡みの不変量と局所変形の関係を研究してきた。結び目理論と低次元多様体の研究集会に出席し研究発表を行い、またプレプリントの形で論文を公表している。
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Research Products
(3 results)