2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540083
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
大山 淑之 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80223981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 康剛 神戸大学, 理学部, 教授 (70183514)
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
小林 一章 東京女子大学, 文理学部, 教授 (50031323)
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Keywords | 結び目 / 局所変形 / C_n-move / 有限型不変量 / Vassiliev不変量 |
Research Abstract |
2つの結び目のオーダーn未満のVassiliev不変量が一致する必要十分条件は、その2つの結び目が互いにC_n-moveで移り合うことである。1回のC_n-moveでオーダーn以上のVassiliev不変量は変化しうる。昨年度、1回のC_n-moveで結び目のConway多項式のn次の係数は変化しないか、2変わることを山田晴美氏との共同研究で示した。Conway多項式のn次の係数は、もっとも基本的な有限型不変量である。 今年度は、1回のC_n-moveで結び目のJones多項式から得られる有限型不変量はどの程度変化するか研究することが計画のひとつであった。Conway多項式の場合とは異なり、Jones多項式から得られる有限型不変量はオーダーが大きくなると変化量が様々な値を取るようになる。ある基本的な変化量があり、その2倍、3倍の変化量をとる場合が存在するのである。オーダーが大きくなるに従い、変化量の種類も増えていく。様々な計算結果から、各オーダーの変化量の最大値が予想されている。現在、その予想の解決を試みているところである。 最後に昨年度に結果を得たのであるが、証明を改良し、今年度専門雑誌に掲載された結果を述べる。中西氏との共同研究で、以下の結果を示した。それ自身のConway多項式は一致するが、その結び目から1回のC_n-moveで得られる結び目のConway多項式全体の集合が一致しない結び目の対が存在する。一昨年のC_n-Gordian complexの結果にも昨年度のConway多項式の結果にも関連する定理である。C_n-moveから単体的複体を構成するという幾何的な問題と1回のC_n-moveで不変量がどの程度変化するかという代数的な問題、そしてC_n-Gordian complexをConway多項式から見るという組み合わせた観点の結果まで、得られたことになる。
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Research Products
(2 results)