2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
服部 久美子 信州大学, 理学部, 教授 (80231520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 久夫 信州大学, 理学部, 講師 (80020676)
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Keywords | フラクタル / 自己回避過程 / 自己反発過程 / 平均2乗距離の指数 / 自己吸引過程 |
Research Abstract |
以前Ben Hamblyおよび服部哲弥と共同で,有限シェルピンスキー・ガスケットと呼ばれるフラクタル上でブラウン運動と自己回避過程を連続的に内挿する連続時間自已反発過程の族の研究を行った.この確率過程は有限プレ・ガスケット上の自己反発ウォークの連続極限として構成した. 今年度は,まずこの自己反発ウォークを無限プレ・ガスケット上にconsistent conditionを満たすように拡張できることを示した.さらにこの方法は自己吸引過程に対しても同様に適応できることを示した. また,平均2乗距離の指数及び重複対数の法則,という形で,これらの無限プレ・ガスケット上のウォークの十分歩数が大きいときの漸近的挙動を調べた.一般に自己反発ウォーク,自己吸引ウォークはマルコフ性も持たないし(過去の履歴に依存する),自己回避ウォークのように一度通った点は2度と通らないという性質もないため,異なる手法が必要となる. プレ・ガスケット上の自己反発および吸引ウォークは一種の自己相似性を持ち,それを利用して鏡映原理を見出し,漸近挙動を調べることに成功した。その結果は論文Displacement exponents of self-repelling walks and self-attracting walks on the pre-Sierpinski gasketにまとめ,現在投稿中である.
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