Research Abstract |
本年度の主たる研究成果は次の2つである. 1.因子Aに対するdesignを任意のresolvable designとし,因子Bに対するdesignをsquare lattice designとして,2つのdesignのpartialなクロネッカー積を用いて,split-plot designを構成し,その統計的性質,すなわち,層効率因子と多重層解析を用いて推定される主効果,交互作用効果の対比を一般的な形で与えることができた.この結果は平成16年度のsplit-block designに対する結果とresolvable design,square lattice designの固有ベクトルが一般的に表されたことによるものである. 2.因子A,因子Bの水準のそれぞれ1つを対照処理,すなわち,標準的な処理(たとえば,実際に評価されている小麦の品種),他の水準をテスト処理(たとえば,新しく開発された小麦の品種)とし,対照処理,テスト処理の主効果,交互作用効果の対比を推定できるようなsplit-plot designに対して,1.の結果が適用でき,そのsplit-plot designの統計的性質を明らかにすることができた. 対照処理をもつdesignとして,すべての対照処理がすべてのブロックに同じ回数ずつ含まれるR型のdesign,すべての対照処理がいくつかのブロックにt回ずつ含まれ,残りのブロックにt+1回ずつ含まれるS型のdesignが知られている.2.はR型で,対照処理が1つの場合であるが,対照処理が複数個のR型のsplit-block design,split-plot design,また,S型のsplit-block design,split-plot designが今後の研究対象である.
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