2004 Fiscal Year Annual Research Report
待ち行列型ネットワークにたいする近似理論と占有時間問題の研究
Project/Area Number |
16540128
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
山田 敬吾 神奈川大学, 工学部, 教授 (90111369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 清正 神奈川大学, 工学部, 教授 (10211450)
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Keywords | 待ち行列型ネットワーク / 近似理論 / 占有時間問題 / ベクトル値ベッセル過程 / ベッセル過程主値 / 確率積分 |
Research Abstract |
待ち行列型ネットワークの近似理論において、近似過程としてあらわれる確率過程が、次元が1より小さいベッセル過程の場合についての研究を中心にして、タンデム型のネットワークにたいし以下の結果を得た。(1)ネットワークを出生死滅過程としてモデル化したとき、システムの状態に依存する到着率および出発率についてどのような条件のもとにおいて近似過程が反射壁をもつベッセル過程になるかを明らかにした。(2)この結果をもとに、ネットワークモデルに対する占有時間問題を考察し、極限過程として、上記(1)における近似過程の局所時間および主値があらわれるかを示した。(3)(2)にあらわれる近似過程の主値のp次変動量は1と2の間にあることを示し(即ち近似過程はヂリクレー過程になる)、この結果に基づいて、主値に関する確率積分の収束性に関する研究をおこなった。収束条件の考察において、ヤングの不等式が有効であることが示された。この不等式を用いて、確率積分の列の収束性の一般的条件を導いた。(4)(1)における近似過程はベクトル値を取るベッセル過程になるが、この過程をあらわす確率微分方程式をSkorohod方程式の拡張としてとらえ、解の一意性を考察した。これに関しては、部分的な結果を得ている。 以上の研究を行う上で、L.Slominski氏(Coperunichs大学、Poland)との研究討議では、上記(3)についてヤング不等式の重要性についての貴重なコメントを得られた。また山田俊雄氏(立命館大学)からは、(3)における近似過程の主値について、多くの有用なコメントが得られた。
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