2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540129
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中川 暢夫 近畿大学, 理工学部, 助教授 (10088403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
平峰 豊 熊本大学, 教育学部, 教授 (30116173)
|
Keywords | 有限体上の関数 / 射影平面 / 極空間 / 平面関数 / O-polynomial / dual hyperoval / quadric Veronesean / blocking semioval |
Research Abstract |
この一年間、有限体上の関数族からどのような有限幾何が作られるか、また与えた有限幾何の中で、ある部分集合族がなすバランスに富んだ配置に関わる関数はどんな関数か、その逆をたどる議論は有効であるか、等視点を有限体上の関数にすえて、有限幾何を考察する研究を行った。 得られた成果の第一は、有限素体上に有限体を構成する手法を拡張して、位数9のnearfieldを構成し、その中にblocking semiovalと呼ばれる配置の良い集合の新しい系列を構成した。ここにもGF(3)上の特別の関数が利用される。この内容を記載した論文(共著)はHokkaido Math.J.に掲載されることに決まっている。 成果の第二は4元体上の5次元ユニタリー射影平面の中に双対超卵形集合と呼ばれる、2次元部分空間からなるとてもバランスの良い配置集合族S(M_22)を構成し、その全自己同型群が22次のMathieu群の指数2の拡大群になることを示した。この族は座標空間における球面にたとえられるような集合族である。この論文はInnovations in incidence geometryに投稿中である。S(M_22)自身をGF(4)上の拡大体上の関数または関数族で直接表示することが課題として残されている。 成果の第三は、有限体上の平面関数の一般化と考えられる、有限体上のn次単項式からくる差分方程式の解の個数の挙動に関する考察を行い、あるnに対する新事実を得たことである。これは昨年12月に京大数理解析研究所で行われた研究集会で発表した。 更に、今年2月にイタリア シエナ大のPasini教授とベルギー ゲント大のMaldeghem教授を訪ね、rank nの結合幾何の射影空間への埋め込み問題および2次形式の一般化であるVeronesean関数から構成される有限幾何について情報交換を行った。これらについては論文にまとめようと現在準備中である。
|
Research Products
(3 results)