2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540129
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中川 暢夫 近畿大学, 理工学部, 助教授 (10088403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
平峰 豊 熊本大学, 教育学部, 教授 (30116173)
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Keywords | planar functions / finite semifields / finite projective planes / almost perfect nonlinear / differentially 4-uniform / bent functions / trace mapping / CCZ-equivalence |
Research Abstract |
有限体上の関数族で、有限幾何の構成に深く関与するものや暗号構成の実用上有用なものを統一的に研究し、それらの相互関係を解明していくのが本研究の目標である。 本研究の代表者は20年にわたり奇素数標数の有限体上の関数を研究してきた。特に差分方程式の解の個数のバラツキ具合が最高度に一様である関数を多方面から研究してきた。この関数は平面関数とよばれ、点の集合上に可移に作用するような自己同型群をもつある種の有限射影平面の構成問題に寄与する関数である。 昨年来finite commutative semifieldsの平方写像から得られる有限体上の関数はすべて平面関数になること、またこれらの平面関数から椎成される射影平面の自己同型群に共通のとても良い特性があることをつきとめた。更に既知のほとんどすべてのfinite commutative semifieldsの平方写像からくる平面関数の形を正確に決めた。これらの成果は今代数的組合せ論のJournalに投稿中である。(近畿大D1の南香織との共同研究) 昨秋、科学研究費補助金の使用により、暗号理論および標数2の有限体上の関数の研究で中心的役割を果たしているパリ大学のC.Carlet氏を近畿大学に招き、連日密度の濃い討論を行った。この討論のなかからこの方面の研究に有望となるであろうアイデアを得た。その一つは標数2のfinite commutative semifieldsの3乗写像から得られる関数の非線形度がとても高いであろうという裏付けとなる定理を得たことである。非線形度が高いほど暗号構成の実用に役立つ。実際ある既知のsemifieldsの3乗写像からくる有限体上の関数はdifferentially 4-uniform関数(非線形度が2番目に高い関数)になることが証明できた。 この証明途上に現われるkey functionの役割をする関数の一般化についても、興味ある予想とその一部の解決をなし終えた。これをまとめた論文はComputer ScienceのLecture Noteに掲載される予定である。(東京女子大の吉荒聡との共同研究)
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Research Products
(6 results)