2005 Fiscal Year Annual Research Report
安定型確率過程の理論及び安定分布に従う乱数の発生について
Project/Area Number |
16540130
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
竹中 茂夫 岡山理科大学, 理学部, 教授 (80022680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 恵三 岡山理科大学, 理学部, 教授 (00137184)
古城 克也 新居浜工業高等専門学校, 理数科, 講師 (10280471)
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Keywords | 安定型確率過程 / 多重マルコフ性 / 乱数 / 安定型乱数 |
Research Abstract |
1.分担者古城は、2次元対称安定分布とその周辺分布との関係を詳しく調べた。ガウス型とは異なり、総ての周辺分布は一致するが、2次元分布としては一致しない例及び逆に一致する例を挙げ、安定分布の構造の豊富さを示した。 2.代表者竹中は、対称安定分布に従う乱数の発生方法について、新しい提案を行った。 まず、従来用いられている計算機による乱数発生方法では、安定分布の特徴の1つである、裾の重さを十分に近似出来て初無い事を示し、次に安定分布の裾の分布の自己相似性と、プログラミングテクニックの再帰呼び出しとを結びつけることによって、言語の制限一杯まで、しかも計算時間を犠牲にすることなしに裾の重さを近似出来るアルゴリズムを提案、大学院生林弘子の協力の下に、プログラミングし、実際に理論通りに実行されることを確かめた。但し、元になる乱数として、周期及び独立性が問題となる組み込み関数を利用せず、物理乱数(熱雑音による一様乱数発生装置)を利用し、この方法の実用性について示した。今後の課題として、この方法による、種々の確率過程のシミュレーションを行い従来の方法との比較があげられる。 これらの結果は、2005年10月統計数理研究所で発表された他、2006年3月にベルリン・ワイエルシュトラス研究所、イェナ大学での講演会、同年6月ヴィルニウスでの国際学会で発表される予定である。尚、乱数については、林聡美・榎本安宏・林弘子の3人の修士課程の院生の研究課題でもあり、それぞれ分担部分を修士論文として完成、部分的には代表者との共著論文として出版されていることを付記しておく。
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