2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540137
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池畠 優 群馬大学, 工学部, 教授 (90202910)
天野 一男 群馬大学, 工学部, 助教授 (90137795)
田沼 一実 群馬大学, 工学部, 助教授 (60217156)
天羽 雅昭 群馬大学, 工学部, 助教授 (60201901)
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Keywords | 数値解析 / 逆問題 / 近似解法 / 再生核 / チィコノフ正則化法 / 積分方程式 / 離散化 / 計算機 |
Research Abstract |
その手法が前前年に確立していた方針に基づいて、具体的な場合に適用していろいろな論文を書き、充実した実り多い年となったが、具体的な手法に新たな手段を開発し、適用範囲を各段に広めることができた。 まずチコノフの正則化法に再生核の理論を用いると、正則化法における極値関数が再生核を用いて具体的に書け、それゆえに微分方程式や逆問題の解が再生核を用いて書けることになる。ここで、この再生核を計算機に載せるように具体的に計算することが鍵となるが、それには連続量を離散量にして求められるアルゴリズムを効率的に構築することが重要になってくる。この点について、 1) 全空間のソボレフ空間を再生核ヒルベルト空間として採用するから、sinc methodすなわちペイリーウイナー空間を近似関数空間に用いると、格段によい結果が得られるという新規な現象を発見した。 2) 必要な新しい再生核を求めることは積分方程式を解くことに帰着されるが、ここに構造が入った場合には正規直交基底を用いて、一般には空間の点を多くとっていく方法で、何れも帰納的に繰り返し法で離散化する方法を確立し、数値実験でそれらの方法の有効性を確かめることができた。さらにこれらの方法において、我々の解の誤差評価ができることを発見した。この点について映像の鮮明化についての電子工学科の先生たちとの共同研究で、 数学的な逆問題は、システムの入力と出力の物理的な明確な意味と物理的な実現(物理的な単位を含めて)が複雑であること、そしてより根本的には、システムが解析的に(微分)方程式や積分変換等で記述され、システムが現実の複雑な法則とずれているという点において、しばしば抽象的、いわば宙に浮いた理論になりがちであることを自覚した。そこで、これらの点を克服する方法として、入力、出力を物理量を数値化した量として直接捉え、システムが全く解析的には与えられない現実のシステムの場合に適用できる、新しい方法を開発した。 これは解析的には全く分からなくても、システムを繰り返し利用して良い関数をシステムに通し実験値を用いることによってシステムの逆を構成する方法であり、一般的な方法として注目でき、今後の具体的な応用における成果を期待している。
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Research Products
(8 results)