Research Abstract |
偏微分方程式の解の零点に関する振動理論が,非線形楕円型方程式,非線形放物型方程式,非線形双曲型方程式に対して,大いに進展することが出来た.非線形楕円型方程式については,従来は研究されていなかった一階微分項を持つ場合について,Picone型不等式を確立することにより振動定理が得られた.連続分布変数を持つような非線形放物型方程式に対しては,一階関数微分不等式に帰着させることにより,新しい振動結果が確立出来た.また,中立項を持つ非線形双曲型方程式系に対して従来の結果を含むような,振動理論を創ることが出来た.双曲型方程式の特性初期値問題の振動問題については,従来は中立項が無い方程式しか研究されて来なかったが,中立項のある双曲型方程式に対して振動定理を得た. 国際研究集会「Colloquium on Differential and Difference Equations」がチェコ共和国の都市ブルノのMasaryk Universityで,2006年9月5-8日に開催された.組織委員会から招待講演をすでに依頼されており,「Picone-type inequality and oscillation theorems for a class of quasilinear elliptic equations」の題目で招待講演を行った.講演の内容は,雑誌Folia Facultatis Scientiarium Naturalium Universitatis Masarykianae Brunensisに掲載される予定である.既に,校正が済んでいる.海外の多くの研究者の講演を聴き,また,沢山の研究者と研究交流が出来て,大きな収穫を得ることが出来た. 2007年2月10,11日に岡山理科大学で開催された研究集会「振動理論ワークショップ-岡山2007」において,「準線形楕円型方程式に対するPicone型不等式とその応用」の題目で講演を行った.振動理論の周辺の研究者が多い研究集会であったので,様々な講演を聴き,また,深い議論をすることが出来たので,今後の研究に大いに役に立つこと,確実である. 出口英生,村川秀樹の両氏には,研究協力者として参加して頂き,研究課題の遂行に多大なる貢献をして頂いた.
|