2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540145
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 弥 信州大学, 理学部, 教授 (80144690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 芳則 京都大学, 総合人間学部, 教授 (30115646)
廣島 文生 九州大学, 理学部, 助教授 (00330358)
熊ノ郷 直人 工学院大学, 工学部, 助教授 (40296778)
谷内 靖 信州大学, 理学部, 助教授 (80332675)
乙部 厳己 信州大学, 理学部, 助手 (30334882)
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Keywords | Feynman経路積分 / 量子電磁気学 / 量子測定理論 |
Research Abstract |
平成18年度の研究計画は以下の通りであった。一ノ瀬は、量子電磁気学のFeynman経路積分による数学的定式化の研究、及び量子連続測定理論の数学的定式化の研究を行う。森本は、振動型積分作用素の有界性定理の研究を行う。廣島は、量子電磁気学のPauli-Fierzモデルに対する経路積分の研究を行う。熊ノ郷は、量子連続測定理論の数学的定式化の研究を行う。谷内は、Feynman経路積分を実解析的手法を用いて研究する。乙部は、Feynman経路積分を確率解析的手法を用いて研究する。 研究の実施は概ね成功したが、未完成の部分もあった。以下具体的に記す。 一ノ瀬は、量子電磁気学のFeynman経路積分による数学的定式化の研究を行い、物理で通常用いられている拘束条件を用い、光子の振動数の高い部分を切断(紫外切断)するという仮定の下で、Feynman経路積分の収束を証明した。又、位相空間経路積分を用いることにより上記の拘束条件なしに、量子電磁気学が定式化できることも証明した。又、光子の生成、消滅演算子を具体的に微分作用素として導入することにも成功した。これらの研究結果は、A mathematical note on the Feynman path integral for the quantum electrodynamicsと言う表題で、平成18年7月の作用素論研究集会(那覇市)、9月の九州大学での国際研究集会、11月の研究集会「超局所解析と古典解析」(郡上八幡)、平成19年2月の数理解析研究所での研究集会で発表した。又、同じ題目で、数理解析研究所講究録に論文が提出された。次に、スピンを持ったFeynman経路積分についての研究成果を、平成18年9月International Conference Operator Theory in Quantum Mechanics(Prague)でA mathematical theory of the Feynman path integral for the generalized Pauli equationsと言う表題で発表した。熊ノ郷は、区分的古典軌道を用いた大次元での停留位相の方法の研究を藤原氏(学習院大学)と共同で行った。これを用いて、量子連続測定理論の数学的定式化のために、区分的古典軌道を用いた一般的な汎関数経路積分の研究を行い、核関数の広義一様収束を藤原氏と共同で証明した。廣島は、Pauli-Fierzモデルに対する経路積分の研究を行い、スピンを持つ場合に虚時間経路積分の収束を証明し、Spectral analysis of the translation invariant nonrelativistic QEDの表題で平成19年2月の数理解析研究所での研究集会で発表した。又、同じ題目で、数理解析研究所講究録に論文が提出された。
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Research Products
(5 results)