2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540146
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
愛木 豊彦 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90231745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角谷 敦 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (60248284)
山田 雅博 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00263666)
石渡 哲哉 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (50334917)
山崎 教昭 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (90333658)
深尾 武史 岐阜工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (00390469)
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Keywords | 形状記憶合金 / ヒステリシス作用素 / 自由境界問題 / 非線形偏微分方程式 |
Research Abstract |
今年度は,バネの方程式と生物モデルにおけるヒステリシス作用素について成果をあげることができた。 「バネの方程式」について 前年度,形状記憶合金問題を記述する基礎方程式を見直す過程で,バネの時間変化を記述する自由境界問題を導出した。バネの時間変化は,空間変化を無視した常微分方程式か,バネの延びを小さいと仮定した双曲型方程式をもって数学的に解析が進められてきた。そのような形でバネの形状変化が扱われてきたため,形状記憶合金の形状変化も同じように解析がほとんどされていない。この問題の研究を進めて,最終的には形状記憶合金の形状変化を数学的に解析していく。そのように位置づけられるこの問題に対して,前年度は,解の時間に関する局所的な存在を証明した。今年度は,その問題に対する解の一意性を証明することができた。また,解の大域的存在を示すための研究も引き続き行った。しかし,今年度,そのことを示すことはできなかった。それは,モデルの構成がうまくいっていないことも原因の一つとして,考えている。従って,今後モデルの再検討も視野に入れて研究を進めていく。 ある種の生物の成長における食料と個体数の関係をヒステリシス作用素で記述するモデルについて考察する。前年度までは,このモデルにstop operatorと呼ばれるヒステリシス作用素を取り入れた問題について研究してきた。今年度は,同様の問題に対して,completed delay operatorと呼ばれる不連続な作用素を取り入れたモデルを扱った。この作用素とstop operatorとの近似関係を明確にすることで,この問題に対する解の存在を証明することができた。その研究過程で,completed delay operatorの微分方程式による表現に関するいくつかの未解決な問題が見つかったので,今後この問題についても研究をしていく。
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Research Products
(6 results)