2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540150
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 素夫 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (10221805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 達雄 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80127117)
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Keywords | 境界値問題 / D加群 / 指数定理 / 超局所オイラー類 |
Research Abstract |
楕円型微分方程式系の境界値問題をD加群のことばで定式化し、その超局所オイラー類を構成するところまで、一般性においてまだ不満が残るものの、所期の目的は(技術的な部分を除いて)ほぼ達成できたと思う。(せっかく大掛かりな定式化を用意した割には、楕円性の条件が境界値問題から来るものにしか定義できていないところが大きな課題である。)以下にそのアイデアの概略を述べる。 境界付き多様体上の楕円型微分方程式系Mを考える。Mの境界への引き戻し(接方程式系)M_<tan>を考え、境界上の微分方程式系NとD_Y-準同型α:N→M_<tan>があるとする。(D_Yで境界上の微分作用素のなす環を表わす。)この境界値問題が楕円型であるとは、αがε_Y【cross product】Nからε_Y【cross product】M_<tan>の幾何学的に定義されるある連接剰余加群(実際には直和因子になっている)M^+_<tan>への同型を引き起こすことであると定義する。考えている境界値問題が古典的なシャピロ・ロパチンスキー条件を満たしている場合は、上の意味で楕円型である。ここまでは素朴に思い付くが、このままだと通常の代数的な扱いが難しいので、何らかの環の上の加群(の導来圏の対象)としてこれを捉えたい。そのために環BDをD_X【symmetry】D_Y→_X【symmetry】D_Yと定義して、BDについて双対をとると、環D_X【cross product】B上の加群の導来圏D^b(D_X【cross product】B)の対象B(M,N)が得られる。詳細はここでは省略する。一方、定義層の対(Z_M,Z_N)からZ_X【cross product】B_Zの加群の層B(Z_M,Z_N)が得られるが、この2つのテンソル積B(M,N)【cross product】B(Z_M,Z_N)からLefShetz-Grothendieck-Kashiwaraの対角線の方法によって、(M,N)が楕円型であるという条件のもとで(超局所)オイラー類が定義される。ここで定義したオイラー類による指数定理の記述については、構成が自然なことから、通常の図式追跡でうまく証明できる(はずであると予想される)。
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