2006 Fiscal Year Annual Research Report
双曲系の大きな初期値を伴う初期値問題に関する適切性理論の構築
Project/Area Number |
16540153
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田中 直樹 静岡大学, 理学部, 教授 (00207119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 英男 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (30022734)
浅倉 史興 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20140238)
勝田 篤 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (60183779)
松本 敏隆 広島大学, 大学院理学研究科, 助手 (20229561)
曾布川 拓也 岡山大学, 教育学部, 助教授 (60252946)
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Keywords | semigroup of operators / semilinear equation / quasilinear equation / Hadamard wellposedness / perturbation / analytic semigroup / fractional power / metric-like functional |
Research Abstract |
1.半線形発展方程式に付随する局所リプシッツ作用素半群の特徴づけ 2つの解の差を測るものとして,ノルムが用いられることが多く,その方法に対応する理論が単調作用素の理論である。その一般化として,リプシッツ作用素半群の理論建設が強く望まれている。本研究では,局所リプシッツ作用素半群の無限小生成作用素が半線形である場合を考察した。局所リプシッツ作用素半群が半線形発展方程式の軟解を与えるための必要十分条件を,非負なリプシッツ連続汎関数により表現される半線形安定性条件と劣接線条件により与えることに成功した。得られた理論を複素ギンツブルグ・ランダウ方程式の混合問題へ応用した。 2.アダマールの意味の準線形発展方程式に対する初期値問題の近似定理 退化準線形双曲型方程式の初期値問題の適切性の研究は,リオンス教授により,その重要性が説かれている。この方程式の適切性の問題を数値解析的に明らかにしようというのが本研究である。退化準線形双曲型方程式に適合する抽象理論として,アダマールの意味の準線形発展方程式に対する初期値問題の適切性理論がある。これに関連する近似定理を考察した。その成果を退化キルヒホッフ方程式の初期値境界値問題の数値解法に応用した。 3.解析的半群の時間依存な非線形摂動 解析的半群の時間依存な非線形摂動を非線形半群論の立場から考察し,摂動として得られる非線形発展作用素の特徴づけについて論じた。ここで取り扱われた非線形摂動作用素は,解析的半群の生成素の分数ベキの定義域から基礎となる空間へのリプシッツ条件を満たすものである。得られた特徴づけ定理は,骨に関する数理現象モデルなどの解明に応用された。
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Research Products
(3 results)