2005 Fiscal Year Annual Research Report
双曲的距離に重点を置いたリーマン面の等角的埋め込みと粘性流を含めた流体力学の研究
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16540157
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 雅和 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70025469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 教授 (00093815)
天野 要 愛媛大学, 工学部, 教授 (80113512)
増本 誠 山口大学, 理学部, 教授 (50173761)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
伊藤 雅明 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10116535)
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Keywords | リーマン面 / 双曲的距離 / 等角的埋め込み / 粘性流 / リーマン周期行列 / distinguished boundary |
Research Abstract |
今年度の成果のひとつは,種数が1よりも大きいコンパクトではないリーマン面を,同じ種数のコンパクトなリーマン面に等角的に埋め込む際に生じるリーマンの周期行列が作る多重円板についての考察を少しく進めえたことである.特に種数が2の場合についての成果はより詳しく次のように述べることができる.埋め込み先のコンパクトな種数2のリーマンの周期行列の対角成分上にできる2つの円板の境界に周期がのることは極めて稀である(もとの非コンパクトなリーマン面がある種の対称性を持つ場合に限られる)ことを示した.証明には完全流体の境界上の状況を詳しく調べた後でリーマン面論の古典的結果を利用するが,この証明は以前に与えた証明の再検証となっている.また,結果は対角線周期の作る多重円板の"distinguished boundary"が必ずしも達せられないことを示している.この成果は今年度のものではあるが,未だ論文を準備中の段階で,未発表である 一方でこれまでに得られた成果(特に双曲的距離についての結果)については,2005年6月にフィンランドのヨエンスウ大学で開かれた国際会議CMFT2005(Computational Methods and Function Theory)において発表した.英国,米国,および欧州の関係する数学者と密な議論をすることができた. 第3の成果としては等角的埋め込みと物理現象(特に静電磁気学)との関連について僅かではあるが新しい知見を得たことである.これは本研究課題の目標の1つである数値化・視覚化を睨んでの一歩であるが,詳細な検討は来年度の研究に持ち越されることになった.また昨年度に得た粘性流に関する予想は,予想そのものが否定されてはいないものの,まだ十分な議論にはいたっていない.これについても来年度に仕上げが見られるように計画している.
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Research Products
(6 results)