2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540158
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
増本 誠 山口大学, 理学部, 教授 (50173761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 雅和 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70025469)
山田 陽 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60126331)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
柳 研二郎 山口大学, 工学部, 教授 (90108267)
幡谷 泰史 山口大学, 理学部, 助手 (20294621)
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Keywords | リーマン面 / 擬順序 / 双曲的極大領域 / 円形化可能領域 / 二次微分 / 不連続群 / 基本領域 / 等角写像 |
Research Abstract |
リーマン面上の任意に固定した1点を含む単連結領域の族に,この族に属する各領域の双曲的微分計量の固定した点における密度を比較することにより擬順序を導入する。この擬順序に関して極大な領域を双曲的極大領域と呼ぶ。リーマン面に自己等角写像からなる真性不連続群が作用している場合にも双曲的極大領域の概念を拡張することができる。我々は先に双曲的極大領域の存在を証明し,よい性質を持つ基本領域であることを示していたが,ここでは,双曲的極大領域がリーマン面上のある特殊な性質を持つ有理型二次微分と密接に関連することに注目して,新たに円形化可能領域の概念を導入した。そして,円形化可能領域の位相的性質,境界の様子,群の作用に対する挙動を詳しく調べた。双曲的極大領域を円形化可能領域を用いて特徴付け,双曲的極大領域の性質の多くが円形化可能領域のそれらから導かれることを示した。さらに,双曲的極大領域を導く極値問題を拡張することにより,双曲的極大領域の概念を広げ,広義の双曲的極大領域の方が円形化可能領域とより自然に結びついていることを示した。その他に,柴はリーマン面上の流れ函数の考察を等角写像論に応用したり,古典的な単葉関数論の自然な拡張としての研究を行ったりし,山田は核函数をもつヒルベルト空間のノルム不等式の等号を与える函数が核函数に限られるための条件を調べた。また,柳原は単位円板上で正則で微分の実数部が正である函数の値の変化域について研究した。さらに,幡谷はregularityを失うタイプの微分方程式系の解の,漸近挙動とregularityを得る手法を確立し,非線型評価の改善を行ない,柳はTsallis相対作用素エントロピーを新に定義しその性質を詳細に調べた。
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Research Products
(6 results)