2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540167
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松本 和子 Osaka Prefecture University, 総合教育研究機構, 准教授 (60239093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉冨 賢太郎 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 講師 (10305609)
犬内 本夫 大阪府立大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70127885)
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Keywords | 多変数関数論 / 複素解析学 / 曲率 / 擬凸領域 / ケーラー多様体 / 関数論 |
Research Abstract |
Kahler多様体Mの擬凸部分領域D上の関数論と、Dの境界Sの微分幾何学的な性質との関連を、与えられたKanler計量から決まるSまでの距離関数のLevi formの研究を通して明らかにすることが主な目的である。特に、Mが非負の正則双断面曲率を持ち、Sが弱擬凸、あるいはLevi flatな場合のLevi問題、及び、境界としての実または複素超曲面そのものの研究を行い、Levi問題が解決できるための幾何学的な条件をexplicitに与え、"Sの境界が強擬凸な点を1点でも含めばSteinか?"というNarasimhan予想(問題)の進展につなげたいと考えている。また、その間連で、展開可能な複素曲面の、補集合を通しての研究も行い、特に、関数論的な性質を明らかにすることを計画している。 前年度までに、MがC^2の実超平面の場合に、Mまでの距離関数のLevi formをMの定義関数を用いて具体的に書き表し、その結果、複素2次元トーラスの擬凸領域で、Steinにならないものは、本質的にはGrauertによって指摘されたタイプのものしかないことを示した。 今年度は、Mが一般のC^nの実超平面の場合に、Mまでの距離関数のLevi formをMの定義関数を用いて具体的に書き表すことを目標とし、その結果自体は得ることができた。その表示には、Mの定義関数から決まる対象行列やHermite行列がいろいろと現れ、興味深い式が得られたと考えている。 しかし今のところ、その等式の応用にはまだ至っていない。n=2の場合に限定的に発表した等式は、既にアメリカ数学会から出版された本でも引用され、多変数関数論だけではなくCR幾何などへの応用もあるようである。今後は、第1・第2基本計量との関連を調べ、微分幾何(部分多様体の幾何)との関連も研究していきたいと考えている。
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