2007 Fiscal Year Annual Research Report
非可換調和解析における実ハーディ空間の新たな展開-表現論・実解析・確率解析の融合
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16540168
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河添 健 Keio University, 総合政策学部, 教授 (90152959)
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Keywords | ヤコビ解析 / 実ハーディ空間 / 積分作用素 / 半単純リー群 / 最大関数 / Littlewood-Paleyg関数 / area関数 |
Research Abstract |
指数型重みΔを持つヤコビ解析における実ハーディ空間H^1(Δ)の特徴付けおよびその有効性について研究した.H^1(Δ)の特徴付けに関しては,ヤコビ解析におけるアーベル積分が分数積分作用素の合成で書けることに注目し,ヤコビ解析における分数微分・積分作用素とユークリッド空間における分数微分・積分作用素の関係を詳細に調べた.その結果により,H^1(Δ)をユークリッド空間における重みつきハーディ空間の言葉で記述することができた. H^1(Δ)の有効性に関しては,とくにPoisson最大関数M_P,Littlewood-Paley g-関数g, Lusin area関数SのH^1(Δ)からL^1(Δ)への強有界性について詳しく解析した.これらの積分作用素のp>1のときのL^p(Δ)強有界性はすでに知られているが,p=1のときの強有界性の結果は知られていなかった.この意味において本研究の結果は有意義と言える.M_Pとgの(H^1(Δ),L^1(Δ))有界性は,上述のH^1(Δ)の特徴付けを用いてその議論をユークリッド空間の場合に帰着させることにより証明することができた.しかしarea作用素Sに関してはユークリッド空間とは異なる興味深い結果が得られた.Sを定義する積分には非接領域|x-y|<atでの積分が含まれる.ユークリッド空間の場合,この非接領域の角度aによらずにSの(H^1(Δ),L^1(Δ))有界性が得られることが知られている.しかし今回得られたヤコビ解析におけるSの(H^1(Δ),L^1(Δ))有界性に関しては0<a≦1/3の制限が必要である.証明の改善も考えられるが,ヤコビ解析における特有の現象と捕らえることが自然と感じている.
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Research Products
(10 results)