2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山ノ内 毅彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30241293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 晶孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00128597)
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Keywords | フォンノイマン環 / カルタン環 / 量子群 / 余作用 / コサイクル / 同値関係 |
Research Abstract |
本年度は、カルタン環Dを含むようなフォンノイマン環A上の量子群の作用で、その不動点環がDを含むようなものの特徴付けをすることに成功した。より正確に言えば、まずこのような作用は、本質的に局所コンパクト群の余作用に限ることを証明することができた。このようなフォンノイマン環Aは、離散的可測同値関係Rにより構成されるフォンノイマン環として実現されるが、本研究では上で述べたような作用は常に同値関係R上のコサイクルから誘導されることを明らかにし、この種の作用の構造定理を得ることができた。これにより、エルゴード理論におけるコサイクル研究が、作用素環における余作用の研究と同等であることが明らかになり、コサイクルを作用素環の側面からみた独創的な研究が可能となった。この定理の応用として、いくつかの重要な事実を証明することができた。1つ目は、AFD因子環上の余作用で、充足コンヌスペクトルをもつようなものの分類理論である。上で述べた構造定理を用いることにより、このような余作用はコサイクル共役を除いて一意的であるという結果を得ることに成功した。2つ目は、エルゴード的同値関係Rのエルゴード的部分同値関係Sの正則性に関する結果である。正則性の定義はこれまでエルゴード論的な捉え方しか存在せず、正則性を作用素環論の立場から見たときにどのような概念に対応しているのかは明らかになってはいなかった。本研究では、余作用の「概周期性」という概念を導入し、部分同値関係の正則性の作用素環論的な特徴付けをすることに成功した。また、因子環Aの正則化擬群という集合に注目することによる、正則性の特徴付けも得ることができた。
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Research Products
(2 results)