2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山ノ内 毅彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30241293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 晶孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00128597)
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Keywords | フォン・ノイマン環 / コサイクル / エルゴード流 / 余作用 / III型因子環 |
Research Abstract |
本年度は、III型因子環Nの荷重の流れ上の任意の1-コサイクルからN上の余作用を組織的な方法で構成することに成功した。III型因子環の荷重の流れはエルゴード的流れを備えた確率空間であるが、その確率空間上の局所コンパクト群Kに値をとる1-コサイクルと、N上の優位的荷重を任意に固定するごとに、KのNへの余作用が決定されることがわかった。このような余作用は固定した優位的荷重の不動点環を不動にするような余作用であるが、本研究では逆にこのような性質をもつ余作用は荷重流れ上の1-コサイクルを誘導すること証明した。これにより、III型因子環上のこの種の余作用の研究は、エルゴード理論におけるエルゴード流れ上の1-コサイクルの研究と全く同一のものであることが明らかになり、作用素環の視点によるコサイクルの研究が可能になった。一方、このような余作用の双対作用を集中的に解析することも実行した。その成果として、1-コサイクルcの漸近的値域が群Kと等しいならば、双対作用は極小的作用であることが証明できた。さらに、余作用による接合積の荷重の流れを、最初のNの荷重の流れとコサイクルcを使って完全に記述することに成功した。この接合積の荷重の流れはエルゴード論における正規拡大とよばれる重要なクラスであり、ここでもエルゴード理論との興味深い関係を明らかした。逆にこのような(エルゴード理論との深い結びつきを持つ)性質を備えた群作用を作用素環論的に特徴付けることにも成功した。その応用として、従順的局所コンパクト群のある性質をもつAFD III型因子環への極小作用の分類理論を展開することができた。
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Research Products
(2 results)