2005 Fiscal Year Annual Research Report
特異指数べき型の非線形項をもつ準線形楕円型方程式の研究
Project/Area Number |
16540197
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
深貝 暢良 徳島大学, 工学部, 助教授 (90175563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成川 公昭 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60116639)
伊藤 正幸 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70136034)
香田 温人 徳島大学, 工学部, 助教授 (50116810)
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Keywords | 準線形 / 楕円型方程式 / 変分法 / 正値解の存在 / Sobolevの臨界指数 / Orlicz空間 / Orlicz-Sobolev空間 / concentration-campactness |
Research Abstract |
準線形退化楕円型方程式の正値解の存在についての研究である。今年度は、埋め込みの臨界状況について、主要部が対数的な非線形性を持つ場合の有界領域での考察を進めた。このとき、エネルギー汎関数の微分項がt^p log(1+t) as t→∞の漸近性を持つとすると、p>1とp=1とでは事情が異なる。実際、p>1ならば、対応する関数空間として用意されるOylicz-Sobolev空間は回帰性を保持するから、昨年度の方針による計算を継続すればよい。しかし、p=1のときは関数空間が回帰性を失ない、汎関数のFrechet微分ができなくなるので、従来とは別の取り扱いを必要とする。 1.まずp>1の場合は、Δ_2条件が有効に機能し、以前の計算と同様の手続きを踏むことによって解の存在が導かれることを確認した。 2.つぎにp=1の場合は、共役関数がΔ_2条件をみたさないために別種の取り扱いとなる。ここでは、汎関数のcritical pointを微分不等式で特徴づけて、SzulkinおよびLeの方向での修正された形のmountain pass theoremを適用することにした。 3.さらにp=1では、Palais-Smale列の強い意味での収束部分列を取り出すことは困難となるのだが、関数列をRadon測度とみなしたときの弱い意味での収束部分列を抽出した上で微分不等式の精密な極限計算をすると、このときの特殊性が有効に働いて、計算の過程で不都合に思われた項が都合よく消滅する。その結果p=1であっても極限関数が弱解となることが導かれた。 最後に、パラメータλが十分大きい状況においてエネルギー汎関数の極限をみることにより、解の非自明性が分かる。
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