2006 Fiscal Year Annual Research Report
特異指数べき型の非線形項をもつ準線形楕円型方程式の研究
Project/Area Number |
16540197
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
深貝 暢良 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 助教授 (90175563)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成川 公昭 鳴門教育大学, 学校教育学, 教授 (60116639)
伊藤 正幸 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70136034)
香田 温人 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 助教授 (50116810)
|
Keywords | 準線形 / 楕円型方程式 / 変分法 / 正値解の存在 / Sobolevの臨界指数 / Orlicz空間 / Orlicz-Sobolev空間 / concentration-compactness |
Research Abstract |
準線形退化楕円型方程式の研究である。方程式がSololevの埋め込みに起因する臨界的な増大度の頃を含むときに、主要項がべき乗型以外の非線形性をとる場合を許す条件の下で、非負・非自明な解の存在を導いた。関数空間が回帰性を持たなければ一般にはエネルギー汎関数のFrechet微分は不可能である。それでも、前年度までの研究に続けて細部を整備することにより、非自明解の新たな結果を得ることができた。これは主要部がtlog(1+t)型の非線形性を持つ場合にも適用される。 1.方程式の主要部に合わせてOrlicz-Sobolev空間を導入した。臨界項の処理には無駄のない評価を必要とする。その計算の基礎として、N-関数に対する若干の仮定の下で、関数空間の基本的な性質を導いた。 2.Orlicz-Sobolev型の共役関数を選び直して、エネルギー汎関数についてのSobolev型不等式を準備した。その結果、解の存在を保証する条件は、非線形項のt→∞での挙動で決まる形の条件に改良された。 3.関数空間に回帰性がない状況に対処するために、微分不等式による解の定式化を行なった。論理的な手続きにいくつかの変更を加えなければならなかったが、Radon測度の精密な計算をすることにより、べき乗以外の非線形性に拡張された形でのconcentration-compactnessの議論が可能となった。 4.昨年までの議論の不具合は完全に取り除かれて最終的な結果を得ることができた.回帰性がないと、解の存在が不明な状況で、近似列のa.e.収束性を把握するには無理がある。しかし、実際に解が得られたので、さらに部分列のa.e.収束も示された。
|
Research Products
(1 results)