2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540222
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
関井 隆 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 助教授 (20332158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴橋 博資 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30126081)
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Keywords | 太陽 / 太陽振動 |
Research Abstract |
平成17年度は、引き続きNASA/ESAの科学衛星SOHO(Solar and Heliospheric Observatory)搭載のMDI(Michaelson Doppler Imager)のデータに基づく解析を、ランダムな励起項と簡単な減衰項とを持つ調和振動子モデルと比較しながら行なった。前年度には、Roth(2001,ApJ,559,1165)の報告した音波モードのパワーの時間変化における負相関過剰(正の相関を持つモードの組よりも負の相関を持つモードの組の方が多い)を否定する結果を得る一方、Rothが同時に報告していた、相関係数の分布関数の非対称性を追認する結果を得ている。今年度は当初、この非対称性を取り入れたデータ解析法(特に、固有振動数の決定アルゴリズム)を開発する方針であったが、満足の行く結果を得るためには分布関数の形を知ることが必要であることから、先ずi)MDIのデータのより詳細な解析を行ない、前年度の結果を再確認した上で、ii)この非対称性を半解析的に得ることが可能かどうかの検討を始めることにした。上記i)では、パワーの時系列の抽出法(時間軸上に設定したウインドウを動かして計算)をより精密にして結果を確認した他、得られた時系列に対してランダムな順序の入れ換えを行なって解析を繰り返すなどのチェックを行なった。後者では、少なくともウィンドウの間隔がモードの減衰時間に比べて長いケースでは、相関係数の分布に有意な変化がみられないことから、この分布はRothが主張するような流れを媒介としたモード間相互作用の結果ではないのみならず、減衰時間に比べて長い時間スケールでは定常的な過程の帰結であることが示唆される。上記ii)の試みとしては、簡単な乱数列を用いたモデルとの比較解析を行なっている段階である。また現在、これまでの結果を韓国・慶北大学の張憲永博士と共同で出版準備中である。
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Research Products
(3 results)