2005 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙のバリオン数生成機構の解明とニュートリノの質量
Project/Area Number |
16540230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳田 勉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10125677)
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Keywords | 宇宙のバリオン数 / ニュートリノの質量 / 超対称性 |
Research Abstract |
宇宙のバリオン数生成機構は宇宙物理学および素粒子物理学の長年の謎である。我々はこの問題がニュートリノの質量の存在により解決できることを提案した。ニュートリノの小さな質量は大きなMajorana型の質量を持つFermionを予言する。この粒子は宇宙初期に生成され、崩壊する。その崩壊でレプトン数の非対称性が生まれるが、それがさらに宇宙のバリオン数に変わる。この機構をLeptogenesisと呼ぶ。 17年度は、最近提案しているLarge-Cutoff Supergravity仮説とLeptogenesisが矛盾しないことを明らかにした。この理論では、宇宙の温度が10^6 GeV程度でnon-thermal Leptogenesisが起こり、Gravitino問題が回避できる。これは、Large-cutoff supergravityが比較的重い(1-10TeV)gravitinoを予言しているためである。この年度にはさらに、宇宙のバリオン数を説明するLeptogenesisについてのレビューを書いた。 また、ニュートリノ振動を説明する解にニュートリノの質量がクォークやレプトンの質量階層性と逆転している場合がある。このときには、原子核のニュートリノを伴わない2重ベーター崩壊が比較的大きくおきる。このような質量階層性の逆転が自然に起きる模型を提案した。 また、ストリング理論に現れるモヂュライと呼ばれる軽いスカラー場の崩壊により銀河中心からくる511keVガンマー線を説明できることを示した。
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Research Products
(3 results)